今回の書評:「THE BIG ISSUE〜突破する人々〜」
BIG ISSUEが日本で市民権を得るまでの物語。BIG ISSUEの理念から始まり、実際に事業に携わっている方、販売員であるホームレスの人々へのインタビュー、最後に日本に潜むホームレスの問題の根の深さと話は進んでいく。
読み進めているうちに、いつの間にか自分の中に出来上がっていた先入観に気づかされた。ホームレスの問題は、「自己責任」という名の下で議論されることが多い。自分も、程度の差はあれどそう思っていた。
実際は違っていて、彼らは仕事を欲している。昼間寝ていても夜中働いている。
たまたま運命の悪戯で路上生活を強いられている人がいる。
はっきりいって自分が何十年か後に同じような生活をしてないっていう保証なんかはどこにもない。社会のセーフティネットから抜け落ちている可能性なんかいくらでもある。
ショッキングだったのは、先進国の中では日本は断トツでホームレスが多いという事実。この豊かすぎる国で何故こんなにホームレスが多いのか?という疑問を、来日した欧州の人々は抱くらしい。
確かに発展途上国、インドや中国では到るところに物乞いがおった。けどイギリスでホームレスを見たという記憶はあまりない。フランスでもオランダでもギリシャでもベルギーでも。そりゃちょっとはおったと思うけど・・
この国の現状はおかしい。
BIG ISSUEはほんまに小さな零細企業である。そんな会社がビジネスとして世のために動いている、これを大企業がやったらすぐ解決すんちゃうかなーと甘い考えを持ってみたりもした。
誰かのために働くということ。働けるということ。
本文の中で心動かれた言葉:
「自分以外の誰かのためにという視点が無いと、仮に自分のやりたい仕事に就くことができても後悔するのではないでしょうか。」
「働くことの意味は、常に内側からのモチベーションと、その仕事で味わう辛さや犠牲にするものとの両天秤で量られている。」
当り前のことやけど、販売員一人一人に人生があり、様々な経験をされている。酸いも甘いも知っている方の言葉には重みがある。
生きるとは、働くとは。成功者の本を読むことだけがその答えではなく、身近なとこに落ちてるもんやったりする。どんだけ生の経験をできるかどうかにかかってるんちゃうかな。一回だけやけど自分自身、街角で購入したことがある。若干びびりながら買ったけど、おっちゃんが「ありがとう」言うてくれて嬉しかったのを覚えてる。
この本にも書いてあったけど、他人からマニュアル以外の「ありがとう」なんか中々聞かれへんと思う。
そんな経験とか、海外旅行で感じたもんとか今の自分の中でごちゃごちゃしてるもんがいっぱいある。
「社会の役に立つこと」
これを実感して、自信をもって働くことができてへんと
社会人を名乗ることは許されへんと思う。
さて、自分はどうだろう。精一杯社会の誰かのために、身近な人のためになってんやろか。
この視点だけは忘れずに働きたい。くさいけど大切なことやと思う。